1ヶ月旅の1ヶ月後
偉人、芸術、歴史、町並み、文化、気候、食事、いろいろ追いかけて自由にやった。
一日中ピカソやダビンチの残した芸術や彼らが見た景色を探して周る日もあれば、首からカメラをぶら下げて誰もいない山道を散歩をしている日もあり、節約のために一日の食事を生ハムとバゲットだけで済ませた日があれば、その晩に宿で出会った人とコース料理を食べながら人生がどうあるべきかを語った日もあった。
1ヶ月がたった今でも、アムステルダム中心街の賑やかな通り沿い近くに借りた、ホステルの狭いベッドを思い浮かべれば、裏の古い教会の鐘の音が頭のなかで聞こえてくるし、雪で覆われたグラナダの山肌をアルハンブラ宮殿から遠く見上げたときを思い出せば、岩山から白い家々の隙間を通り抜けて流れてきた風が、汗をかいた頬に当たって冷たかった感覚が共によみがえる。
特に人と話すわけでもなく、ネットがつながらないからiPhoneも開かず、本も雑誌も読まず、ただ歴史や偉人について思いをはせながら石畳を歩いた日々は、孤独で寂しかったけれど、感動や発見で溢れていた。
マラガの美術館でピカソが14歳のときに描いたと言われる絵画をみて「天才だ!!!」と思ったときの衝撃や、グラナダの裏山で一人で歩いていたときに見つけた小さな白い花の美しさは、痛みや懐いを伴って入れ墨のように心に鮮明に残っている。
たくさんのメモと思い出。僕にしかわからない感動や記憶。大切にしようと思う。